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折れた釘を抜く

 パチンコタイプのゲームで、玉が当たる頻度の高い釘は金属疲労を起こして、
釘の根っこを残して折れしてしまうことがあります。

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 Time80は時間内打ち放題なので、
根っこを残して、釘が折れていることが時々あります。

 根っこを残して折れてしまうと、
そのままでは新たらしい釘を打ち込む事が出来ません。

 そんな折れてしまった釘は、秘密兵器の・・・
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「釘抜きポンチ」で折れた釘を、叩き出します。

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 まず、釘抜きポンチの先端を、折れてしまった釘の上に合わせます。

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 そして、ポンチの先端がずれないように、ハンマーで叩きます。
ポンチの先端がずれると、セルを傷めるので、精神集中して叩き込みます。
 慣れとコツがいる作業で、ポンチがズレると穴が広がったりして、余計な仕事が増えるので、
慎重に打ち込みます。

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 釘を半分くらいまで押し込むと、盤面の裏から折れた釘の先端が顔を出します。

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 そして、釘を8分目くらいまで叩き込むと、折れた釘が掴めるようになるので・・・

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 ペンチで摘んで引っこ抜きます。

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 折れた釘を抜いた痕は、板がささくれているので、
ハンマーなどで軽く叩いて馴染ませると目立たなくなります。

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 折れた釘の根っこ。
これが残っていたから、新たらしい釘を打ち込むことも出来なかった・・・

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 釘の根っこが抜けたので、穴が開いて、新たらしい釘を打ち込むことが出来るようになりました。

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 空洞になった釘穴に、新たらしい釘を打ち込む・・・

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 釘を打ち込み終わったけど、釘の並びが悪く、見た目が悪いですね。

 そんな時は、秘密兵器その2・・・
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「釘調整棒」で釘の曲がりを直します。

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 釘の曲がりを調整して、釘の並びを綺麗に直します。

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 こんな感じで、綺麗に仕上がりました。

 釘抜きというよりは、釘の打ち込みといった感じですね。
この作業は、とにかく慣れと、コツと、感覚が必要な作業で、
しくじると修復など、面倒な作業が増えます。
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黄色い箱のグランプリ

 黄色い箱のサミーのグランプリ。
グランプリを入手したのは、これで通算4台目ですが、
黄色い筐体カラーは初めてです。

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 他にも各地で稼動しているグランプリを10台くらい見たことがありますが、
黄色い箱の物は見た覚えが無いので、レア物なんではないでしょうか。

 実はこのグランプリ、ファミリーボールやSUPER CAR、サーカスと
同じところから引き上げてきた物なんですよ。

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 他の3台に遅れること5年で、やっと合流できたわけです。
引き裂かれた4人兄弟が、久しぶりに再会できたみたいな、
なんだか考え深い物がありますね。

 ゲーム機は全部で100台くらいになりましたが、
それぞれに入手したときの経緯があり、思い出もあります。
これからもゲームは少しずつ増えていき、思い出も増えていく事になるでしょう。

さとみのゲームと言えば・・・

 さとみのゲームの代表格といえば「グランプリ」ですね。
生産台数も多く、ヒット機と言って良いと思います。

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 このグランプリがヒットしたために、
盤面を書き直し、電動ヤクモノが通路を阻む「AROUND THE WORLD」も作られました。

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 ですがグランプリは、当時たくさん種類があった「新幹線ゲーム」タイプのゲームの中の一つ。
ゲーム性のオリジナリティがある「ワールドサッカー」こそが、
さとみを代表するゲームではないでしょうか。

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 当時、新幹線ゲームタイプかピカデリータイプが多かった中、
ワールドサッカーのように、自分で打った玉を自分でキャッチするというタイプのゲームは、
他に見かけなかったと思います。

 ただ、厳密に言うとワールドサッカーのゲーム性は、
1世紀ほど前に作られた「ウォールマシン」に似たようなゲームがありますので、
まったくのオリジナルとは言い切れませんが、
毛色の違ったゲーム性で割りとよく見かけられたため、
現在でも残存するタマ数は多い機械だと思われます。

ピカデリーサーカスの修理

 古いゲーム機は、ピカデリーサーカスに限らず通電しているだけで壊れていきます。
特にピカデリーサーカスはIC、トランジスタの部品点数が多いせいか時々ですが基板が壊れます。

 今回は2、3日前に、ふっと盤面のルーレット枠の数字のランプが点滅していないことに気がつき、
基板修理してみました。

 ピカデリーサーカスの盤面のルーレット枠のランプは、前にも修理したことがあり、
その時は電源基盤を修理したので、
まずは、電源基板をチェックしてみました。

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 しかし今回の故障は電源基板ではないようなので、
メイン基板をチェックします。

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 まずはメイン基板のコネクターの出力ポートからルーレット枠の点滅ポートを探し出します。
そこから辿っていくとトランジスタがあり、そのトランジスタの入力に対する出力をチェックします。
そのトランジスタの動作が疑わしいので、他のメイン基板で同じトランジスタの動作をチェックします。
やはり故障基板のトランジスタの動作がおかしいので、そのトランジスタを交換します。
トランジスタを交換したメイン基板を筐体に戻すと、ルーレット枠のランプが点滅するようになり修理完了!

またピカデリーサーカスの基板修理

 ちょっと前から修理をしていたピカデリーサーカスのメイン基板がやっと直りました。
直しても直しても他の故障箇所がもぐらたたきのように出てきて、
外したICは5個、トランジスタは4個になりました。
 作業の詳細は下記の通りです。

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① メダルを入れてもまったく反応しなかった状態
 テスターで色々調べて、H4の7430の出力がおかしかったので交換。

② 上記の修理後、メダルを入れるとブロッカーが作動して直ったかと思いきや、
ベットできずそこから進まない。
 テスターで色々調べて、R2の7430の出力不良を発見したので交換。

③ 上記の修理後、ベット、スタートが出来るようになるが、
「30」にかけるとメダルソレノイドひきっぱなし、
およびスタートするとルーレットが「30」を通過するとメダルを払い出すという症状がでる。
しかも、ルーレットは止まらないので、延々と払い出しソレノイドの作動を繰り返させている。
 テスターで色々調べて、J0付近のトランジスタの故障を発見し交換。

④ 上記の修理後、メダルを払い出す事はなくなったが、ルーレットが止まらない症状は直らない。
 この症状の原因を調べつつ、「8」と「10」のボタンが効かなかったので、
あまり調べずにカンでR1の74107を交換するも、カンが外れた。
調べたところ本当の不良はRの7402だったので、交換すると「8」と「10」のボタンが効くようになる。

⑤ ベットボタンのランプが点かなかったので、対応するトランジスタをチェック。
入力に対して出力が出ていなかったので、交換するとランプが点くようになる。

⑥ 「6」の2ベット目の「12」のランプが点かなかったので、
テスターで色々調べて、M2の7408の出力不良を発見し交換すると「12」が点くようになる。

⑦ ルーレットが止まらない症状は、今までの修理した経験からR4の74123が怪しいと睨んだのだが、
入出力を調べてみると、どうやらOKらしい。
そこから、色々調べてみると、J0付近のトランジスタ群に辿りついた。
確証は無かったが、怪しかったのでそこのトランジスタ2個を交換すると、
今度はカンが当たって、見事ルーレットが止まるようになる。

 これで、ゲームがまともに遊べるように直りました。
しかし、これだけ色んな所が壊れているとは思いませんでしたよ。

 ちなみにピカデリーサーカスのTTL基板は、現在コナミでは修理対応していないそうなので、
今年は「世界で一番ピカデリーサーカスを直した人・オブ・ザ・イヤー」にエントリーできそうですよ。
プロフィール

Aki

Author:Aki
岸昭仁(駄菓子屋ゲーム博物館 館長)

新幹線ゲームや国盗り合戦、ピカデリーサーカス、ジャンケンマンなどが遊べる「駄菓子屋ゲーム博物館」を運営。関連商品である「駄菓子屋ゲーム貯金箱(バンダイ)」やiPhoneアプリ「新幹線ゲーム(バンダイナムコゲームス)」などを監修。ムック「アーケードゲーマー」にてコラムを連載中。他にもゲームに関係する仕事を色々しています。

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